就労B型で実践するセルフマネジメント術

こんにちは、鈴の音です。

日々、利用者さんと一緒に過ごすなかで、「自分のことをうまく伝えたい」「もっと気持ちよく過ごしたい」といった声を耳にすることがあります。
就労B型事業所での活動は、作業の練習だけでなく、「自分を知ること」や「自分に合ったやり方を見つけること」にもつながっています。

今回は、そんな日々の中で実践できるセルフマネジメント(自己管理能力)の工夫について、いっしょに考えてみたいと思います。

セルフマネジメントは“自分を整える”力

セルフマネジメントとは、日々の気分や体調、作業の取り組み方などを自分で意識し、行動や感情、体調を自分なりに整えていく力のことです。
時間の使い方や気持ちのコントロールも含まれ、生活の中でとても大切な力といえます。

うまくやることよりも、「自分を知って、どう動くか」を考えることがセルフマネジメントの基本です。
B型事業所では、そうした練習の場が日常の中にたくさんあります。

◇ペースは人それぞれ、セルフマネジメントに正解はない

「今日は調子がいいかな?」「何から始めようかな?」 そんな問いかけから始まるのが、セルフマネジメントの第一歩です。
就労B型事業所では、利用者さん自身が自分のやり方を見つけるための工夫を、日々の中で少しずつ積み重ねています。

 

●体調を伝える力を育てる
自分の状態を意識することから始まります。無理をしすぎずに済むだけでなく、自分の体調を周りに伝える力にもつながります。

→気分を色で記録して見える化:さとみさん(仮名)は「気分に波がある」と感じており、赤・黄・青のシールで毎日の気分を記録することにしました。色のイメージで自分の状態が見えるようになったので、まわりに体調を知らせやすくなり、無理をしすぎなくなりました。

 

●やるべきことを整理する力を育てる
行動にメリハリをつけます。一度に全部やろうとせず、順序立てて取り組むと気持ちが落ち着きます。

→朝の行動をリスト化して整理:ゆうたさん(仮名)は、朝の準備がバタバタしやすいことに悩んでおり、「朝やることリスト」を紙に書いて机に貼ることにしました。リストを見ながら慌てずスムーズに、朝の準備ができるようになりました。

 

●集中をコントロールする工夫
自分のペースをつかむのが大切です。疲れる前に区切りをつけると、作業のリズムが整いやすくなります。

→タイマー活用で集中力をキープ:あきらさん(仮名)は、作業に集中しても途中で疲れてしまうことが多く、15分ごとにタイマーを鳴らすことにしました。区切りを意識できるようになり、集中が切れにくくなりました。

こうした「自分に合う方法」を試してみて、達成感を得られることが、セルフマネジメントの力を育てるきっかけになります。

鈴の音では、こんなサポートをおこなっています

作業前のちょっとした声かけや、体調や気分を見える化する道具の活用など、 “がんばりすぎない”ための工夫を取り入れています。

「今日はできない日」も、そのまま受け止めながら、 それぞれのペースに合わせた支援を心がけています。

これからも、利用者さんが安心して自分らしく取り組めるよう、 ひとつひとつの「できた」を大切にしていきたいと思います。