こんにちは、鈴の音です。
日々の活動を通して、少しずつ自分のペースで前に進めること。そんな場を探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうした取り組みは、制度のなかでは「プログラム」と呼ばれることが多いですが、現場ではふだん「作業」や「活動」といった言葉で親しまれています。
今回は、その取り組みが持つ意味や、実際にどんなことをおこなっているのかをお伝えしていきます。
◇B型事業所のプログラムは、一人ひとりの力を引き出すための土台
就労継続支援B型事業所は、障がいのある方や支援が必要と医師に診断された方が、無理なく日中の時間を過ごしながら、少しずつ社会とのつながりや生活のリズムを整えていくための場所です。
一般の職場で働くのが難しかったり、長く仕事から離れていた方も多く利用されており、作業の量や内容は一人ひとりのペースに合わせて調整されます。
作業を通じて成果を出すこと以上に、その途中で少しずつ手応えを感じたり、自分なりの工夫ができたと思える瞬間を積み重ねていくことを大切にしています。そうした実感が、自分自身への信頼や前向きな気持ちにつながっていきます。
◇B型事業所には、さまざまな活動があります
B型事業所の作業内容は、事業所によって異なり、以下のように幅広い種類の活動があります。
自分の得意や関心に合った作業を見つけるには、どの事業所を選ぶかがとても重要です。
- 軽作業(梱包・シール貼りなど)
製品や資材を袋詰めしたり、決まった位置にシールを貼る作業です。比較的取り組みやすく、作業の流れを覚えやすいことが特徴です - 清掃作業
公共施設や事業所内外の清掃を通して、体を動かしながら役割を担う経験が得られます。 - 農作業
畑での栽培や草取りなど、屋外での作業を通じて季節の変化や自然とのふれあいを感じることができます。 - 調理補助
食事提供や簡単な調理の補助をおこなう作業で、手順を覚えて進めることが求められます。 - 自主製品づくり
布小物、アクセサリー、石けん、キャンドルなど、オリジナルの作品を制作する活動です。 - 販売・接客体験
イベントや施設内での販売活動を通して、商品の説明や会話の経験が得られます。
◇役割や得意を活かす場面が増えていく
作業を続ける中で、気づけば「この作業は〇〇さんにお願いしたい」と言われるようになることもあります。
得意なことが“その人の役割”となり、他の利用者さんやスタッフとの信頼関係につながっていきます。
コツコツと積み重ねてきたことが、周りから認められる経験が、次のチャレンジへの力になるのです。
◇鈴の音では、日々の作業を通してスキルを育んでいます
鈴の音では、利用者さんの特性やペースに応じて、ふたつの部門でさまざまな作業に取り組んでいます。
【グリーン部門】
- 植物栽培
苗づくり、植え替え、水やりなどを通して、植物の成長を身近に感じながら働くことができます。 - インテリア木工
木材を使った板(土台)づくりや、植物を板に固定する作業など、ものづくりの要素を楽しめる活動です。
【雑貨部門】
- アクセサリー
ビーズを使ってリングやネックレスなどを制作します。デザインを考える楽しさや、細かい作業に集中する力が育ちます。 - キャンドル
ガラス入りのものや、火山灰・軽石を使ったもの、フルーツ型など、多彩なキャンドルを制作しています。見た目にも楽しく、完成した作品は販売されることもあります。
最初は見本を見ながら作っていた方が、自分のアレンジを加えて作品を仕上げられるようになることもあります。
言葉でうまく伝えられなかった方も、自分の作品を販売イベントで紹介できるようになるかもしれません。
そんなふうに、「スキルアップ」とは、技術やスピードだけでなく、「自分の変化を感じること」でもあります。
鈴の音では、そうした小さな変化を見逃さず、スタッフ全員で見守り、支えていきたいと考えています。