こんにちは、鈴の音です。
最近よく耳にする「インクルーシブな職場づくり」。障がいのある人も、そうでない人も、誰もが安心して働ける社会を目指そうというこの考え方は、SDGsやダイバーシティ経営の流れのなかで、企業や自治体でも注目されるようになってきました。
今回は、そんな社会の動きと、B型事業所の役割について、一緒に考えてみたいと思います。
◇インクルーシブな職場づくりの広がり
障がいのある人も含め、すべての人が働きやすい環境を目指す「インクルーシブな職場づくり」という考え方が、近年注目されています。
背景には、「誰もが取り残されない社会」を目指すSDGs(持続可能な開発目標)や、性別・国籍・障がいなどにかかわらず人材を活かす「ダイバーシティ経営」の広がりがあります。
◇障害者雇用を支える仕組みと「働き続ける力」
近年では、精神障害者の雇用が広がるなかで、合理的配慮の徹底や職場内のサポート体制づくりなど、就職後の「働き続ける力」をどう支えるかが重視されるようになっています。
そのひとつの取り組みとして、ジョブコーチの存在も注目されています。ジョブコーチは、障がいのある方が職場に定着できるよう、仕事の進め方を一緒に確認したり、職場の人間関係を調整したりと、本人と企業の両方を支える専門職です。
障がいのある人が雇用されるだけでなく、その職場で安心して長く働けるようにするための環境づくりが、これからの障害者雇用の大きなテーマです。
◇B型事業所が支える「働くまで」と「働き続ける」の準備期間
B型事業所は、一般企業に就職するまでの“準備の場”としての役割があります。
体調を整えたり、生活リズムをつくったり、人と一緒に作業する練習をしたり――そうした毎日の積み重ねは、就労の大きな土台となります。さらに、一般就労が難しい方にとっては、B型での活動が生活の一部となり、無理なく働き続けるための現実的な選択肢となります。
また、B型での経験を通じて、やりがいや自信を育てていくことは、結果的にその人の暮らしや地域での役割を広げていきます。
◇働くことへのハードルは人それぞれ。だからこそB型の存在が必要です
「人と関わるのがこわい」「体力が続くか不安」「決まった時間に通うのが難しい」――そんな声は、B型事業所でもよく聞かれます。
働くことは、社会の中での役割を果たす大切な営みですが、それが難しいと感じる人もたくさんいます。B型事業所は、そうした“働くことへのハードル”を少しずつ下げながら、一人ひとりのペースを大切にできる場所です。
毎日「通える」という実感が、働く力の第一歩になることもあります。
◇鈴の音では、ひとりひとりのペースと気持ちを大切にしています
鈴の音では、ビーズアクセサリーやキャンドル作り、植物の手入れなど、さまざまな作業を用意しています。作業を通して、「ちょっと楽しい」「もう少しやってみたい」と思える時間を、少しずつ積み重ねていくのが大切です。
- 「今日はここまで」と自分で決められる自由さ
- 挑戦したい気持ちを応援する関わり
- できたことを一緒に喜べる空気感
そんな日々のなかで、気づいたら自然と「働く力」が育っていた――それが、鈴の音の目指すかたちです。社会の流れがどんなに変わっても、「安心して働ける場を届けたい」という想いを、これからも鈴の音は大切にしていきます。