知ってもらうことから始まる、B型と地域とのつながり

こんにちは、鈴の音です。

私たちの活動は、地域の中でどれくらい知られているのでしょうか。
「ここで作っているものだったんだ」と言ってもらえることが、何よりうれしい瞬間です。今回は、“知ってもらうこと”をきっかけに生まれる、地域とのつながりについてお話ししたいと思います。

◇“知られていない”という現実から

多くの人は「B型事業所」という言葉や活動内容を知らないまま生活しています。
だからこそ、まずは“知ってもらうこと”が、大きな一歩になります。

 

  • B型という言葉を知らない人が多い
    福祉関係者以外には「B型事業所」という名称自体がなじみのない存在であり、そもそもどういった場所なのかを知らないケースが大半です。
  • 活動内容が見えにくい
    軽作業やものづくり、アート制作など多様な活動をしていても、その様子は外からは見えにくく、地域住民の目に触れる機会が限られています。
  • “福祉施設”というイメージが先行してしまう
    「支援が必要な人のための場所」という一面的な印象にとどまり、実際に行われている創造的で社会的な活動が伝わりにくいのが現状です。
  • 知られなければ、つながるきっかけも生まれにくい
    存在を知らない場所には、足を運ぶことも、関心を持つことも難しいもの。知られること自体が、大きな前進になります。

イベント参加は、“知ってもらう”ためのきっかけ

B型事業所は、地域のイベントやバザー、マルシェなどに参加する機会があります。
それは、出店や展示を通じて、活動の一端を地域の方に知ってもらうきっかけです。
イベント参加では、「こんなに素敵なものを作っているんですね」といった声が寄せられることもあります。
地域の中で“知られる”ことは、ただの紹介ではなく、人と人との距離を少しずつ近づけてくれる貴重な体験です。

  • 手づくり雑貨の販売ブース
    利用者さんが制作したアクセサリーや小物などを、地域のバザーやマルシェで販売する機会があります。
  • アート作品の展示
    創作活動の成果として、絵画やクラフト作品をイベントなどで展示し、表現の場として活かしています。
  • 制作の背景を伝える場にも
    イベント参加では、商品を手に取ってもらうだけでなく、「どんな人がどんな思いで作ったのか」を伝える会話が生まれることもあります。
  • 販売の場に立ち会う経験
    本人の希望や体調によっては、利用者さんがブースに立ち会うこともあります。来場者と挨拶を交わしたり、商品を手渡したりする経験は、やりがいや自信につながります。

◇“届いた”実感が自信につながるとき

地域のイベントなどで自分たちの作品が紹介されることは、利用者さんにとって大きな励みになります。
実際にブースに立つことは少なくても、「自分が関わったものが誰かに届いた」という実感は、やる気や自信を育てます。

「この作品、すてきですね」「誰が作ったんですか?」という感想や関心の声がスタッフを通して伝えられ、それが利用者さんの心に残ることもあります。

見えにくい場所での作業であっても、作品が誰かの手に渡り、誰かの日常に溶け込んでいく——そうしたつながりの中で、「自分のしごとが誰かのためになっている」という実感が生まれていきます。

鈴の音では、“知ってもらえる機会”を大切にしています

鈴の音では、利用者さんの活動を地域に届けるため、日ごろから“開かれた福祉”を目指しています。
最近では、アート作品の展示活動などもおこなっており、作品を通して、地域の方とつながる場をこれからも育てていきたいと考えています。