こんにちは、鈴の音です。
B型事業所で働く日々の中で、「いずれは一般就労を目指したい」と考える方もいれば、「今の場所で安心して働き続けたい」と願う方もいます。どちらの思いも、その人らしい大切な選択です。進む道は一つではなく、それぞれに合った歩み方があります。
今回は、一般就労を目指す方に向けて、B型事業所での経験を土台にしたステップアップの流れや支援の仕組みについてご紹介します。道のりは決して平坦ではありませんが、今の場所で少しずつ力をつけながら、自分に合った進み方を見つけていくのが大切です。
◇「働くこと」をあきらめないB型という選択
体調や特性に合わせて働ける場所として、B型事業所は多くの方の居場所になっています。週に1日から通える柔軟さや、自分の体調に合わせて作業に取り組めることが特徴です。
「毎日通うのは難しい」「体調に波がある」といった理由で、一般就労をためらっていた方にとって、B型は大きな一歩を踏み出す場でもあります。
そして、ここでの日々の積み重ねが、次のステップへの自信につながっていくこともあります。
なお、B型事業所は「いずれ卒業していく場所」ではなく、必要に応じて長く利用できる仕組みです。たとえば、就労移行支援のように原則2年間の利用期間が定められているサービスもありますが、B型にはそのような期限が設けられていません。一般就労を目指す人もいれば、B型で安定した働き方を続ける人もいます。それぞれの選択が大切にされる場であることも、B型の大きな特徴です。
◇B型事業所はステップアップの“土台”になる
B型事業所では、生活リズムの安定や作業への集中力など、働くうえで大切な基本的な力を少しずつ育てていきます。
- 生活リズムを整えることからスタート
毎日の通所を通じて、起床時間や食事のタイミングなど、日常生活のリズムを整えることができます。 - 作業に取り組む力を育てる
簡単な作業から始めて、少しずつできることを増やしていく経験は、大きな自信につながります。 - 小さな成功体験の積み重ね
「できた!」という実感を重ねることが、次の一歩へのモチベーションを支えてくれます。
◇一般就労に向けた「移行の道筋」
B型事業所で力をつけたあと、一般就労を目指したいと思ったときには、いくつかのステップを順に進んでいく形が基本になります。すべての人に共通するわけではありませんが、おおまかには以下のような道筋が描かれます。
- 自信を育てる段階
まずは、日々の作業を通じて生活リズムや作業スキルを整え、自信をつけることが第一歩です。 - 就労移行支援の利用(次のステップへ進むために)
「もっと働いてみたい」「企業での実習を経験してみたい」と思ったときに、次のステップとして就労移行支援を利用することがあります。
- 職業訓練やビジネスマナーの学習
- 企業実習を通した実践経験
- 就職に向けた支援機関との連携
ハローワークや地域の支援機関と連携しながら、実際の求人情報を得たり、職場実習を行ったりします。
- 求人の紹介や職場見学の調整
- 定着支援や相談体制の活用
- 就職に向けた選択の段階
就職を目指す段階では、いくつかの方法があります。ハローワークだけでなく、就労移行支援事業所や相談支援事業所などの支援機関を通じて、求人の紹介を受けたり、実習やトライアル雇用の場を調整してもらうことができます。
- トライアル雇用や実習から始めることも
数日間~数週間の実習を通して職場との相性を確認したり、働き続けられる環境かどうかを見極めてから就職を目指すことができます。 - いきなり就職するケースも 希望とタイミングが合えば、実習を経ずに企業に採用されるケースもあります。
◇鈴の音で見守る「それぞれの道」
鈴の音でも、一般就労を目指したいという思いに寄り添いながら、一人ひとりのペースを大切にした支援を心がけています。就職だけがゴールではありません。今の場所で安心して働き続けたい、という気持ちもまた、尊重される選択肢です。
人それぞれ、歩く速さも、目指す場所も違います。遠くを目指す人もいれば、今いる場所を丁寧に歩む人もいます。どちらも、その人にとっての「働く」をかたちにした、立派な歩み方です。
鹿児島における就労継続支援b型事業所の全体像を確認したい方へ
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