こんにちは、鹿児島市の就労継続支援B型事業所「鈴の音」です。
機械の音、話し声、洗剤や食事のにおい、人がたくさんいる休憩スペース…。通所の一日は、目には見えない刺激でいっぱいです。「がんばりたい気持ちはあるのに、音やにおい、人混みがつらくて通うだけでぐったりしてしまう」という声も、私たちはよく耳にします。
こころや感覚の疲れやすさは、「弱さ」ではなく、その人が生まれつき持っている特性です。少しずつ通所環境との付き合い方を工夫していくことで、「しんどさ」が「なんとかやっていけそう」に変わっていきます。
◇音・におい・人混みで疲れやすい人が抱えやすいしんどさ
音やにおい、人の多さに敏感な人は、周りの人が気にしないような刺激でも、頭の中いっぱいに広がってしまうことがあります。「集中したいのに、ざわざわした音が止まらない」「においが気になって作業どころではなくなる」といった状態になると、心も体も大きく消耗してしまいます。
周りからは「ちょっと気にしすぎでは?」と言われることもありますが、その人にとっては本当に「つらい刺激」です。我慢で乗り切ろうとすると、通所自体がこわくなってしまうこともあるため、「苦手な刺激がある自分」を責めないことが、とても大切です。
◇就労継続支援B型でできる通所環境への配慮
鹿児島の就労継続支援B型事業所では、音やにおい、人混みが苦手な人に対して、できるだけ負担を減らせるような工夫が少しずつ広がっています。完全に刺激をゼロにすることはむずかしくても、「少しラクに過ごせる一日」を一緒に探していくことはできます。
たとえば、次のような配慮が考えられます。
- 座る場所の工夫: 出入口から少し離れた席、窓際など、自分が落ち着きやすい位置に座れるよう相談する。
- 音への対策: イヤーマフや耳栓、ノイズキャンセリング機能付きイヤホンなどを使い、「全部の音を遮る」のではなく「少し和らげる」工夫を取り入れる。
- においへの配慮: 洗剤や芳香剤のにおいが強い場所を避ける、換気の良い席にしてもらうなど、できる範囲で配置を変えてもらう。
- 人混みを避ける工夫: 混み合う休憩スペースがしんどい場合は、少し時間をずらして休憩したり、別のテーブルで過ごしたりする。
こうした配慮は、「わがまま」ではありません。安全に、安心して通所を続けるための大事な工夫です。
◇自分の苦手さを言葉にして、スタッフと共有するコツ
通所環境との付き合い方を整えるうえで大切なのは、「しんどいときのサイン」と「苦手な場面」を、少しずつ言葉にしていくことです。いきなり上手に説明できなくてもかまいません。「なんとなくつらい」を「こういう状況がつらい」に近づけていくイメージです。
たとえば、次のような伝え方があります。
- 音について: 「人の話し声が重なると、頭が真っ白になりやすいです」「突然大きな音がするとびくっとして、作業に戻りにくくなります」。
- においについて: 「強いにおいがあると、気持ち悪くなったり頭が痛くなったりしやすいです」。
- 人混みについて: 「人が多い場所に長くいると、すごく疲れて、その後動けなくなることがあります」。
「ここまでは大丈夫」「これ以上はつらい」といった“自分の目安”が分かってくると、スタッフ側も時間帯や席、作業内容の調整がしやすくなります。紙にメモしてから相談したり、支援者に一緒に言葉を整理してもらったりするのも良い方法です。
◇鈴の音で大切にしている、穏やかな通所環境づくり
鈴の音でも、一人ひとりの感覚の違いを尊重しながら、「安心して通い続けられる環境」を大事にしています。得意・不得意や感覚の疲れやすさは十人十色なので、決まった形にはめるのではなく、「その人にとってちょうどいい通い方」を一緒に探す姿勢を心がけています。
活動は、植物栽培、インテリア木工、「Ring Ring」ブランドによるビーズ・リボン・キャンドルなどの雑貨づくりなど、いろいろな作業があります。静かな手作業に集中しやすい人もいれば、植物の水やりのように体を少し動かす仕事が落ち着く人もいます。スタッフと相談しながら、自分の感覚に合う作業や過ごし方を選んでいけるよう、丁寧にサポートしていきます。
音やにおい、人混みの苦手さがある方も、「鈴の音なら少し挑戦できそう」と感じてもらえるように、ペース配分や休憩の取り方にも気を配りながら、穏やかな時間をつくっていきます。
◇見学・体験で、自分に合う通所環境を一緒に確かめていきましょう
パンフレットや文章だけでは、「本当に自分に合うかどうか」は分かりにくいものです。実際に足を運び、音の雰囲気やにおい、人の多さ、スタッフとの相性をゆっくり確かめてみることが、とても大きな手がかりになります。
鈴の音では、見学や体験通所をいつでも歓迎しています。「音が心配」「においがつらくならないか不安」など、気になることは、小さなことでも事前にお伝えください。一緒に通所環境との付き合い方を考えながら、あなたのペースで安心して通える形を探していけたらと思います。お気軽にお問い合わせください。


