B型事業所の工賃アップ、うまくいってるところは何が違う?

こんにちは、鈴の音です。
日々、利用者さんと一緒にものづくりに取り組むなかで、「この作業、もっと工賃に結びついたらいいのに」と思うことがあります。
コツコツと続けてきたことが、少しでも形になると嬉しいです。
今回は、B型事業所の工賃アップについて、うまくいっているところに見られる共通点や、そこに隠された工夫をご紹介します。
鈴の音でも、できることから少しずつ取り組んでいきたいと考えています。

◇工賃アップが大切にされるのは、金額以上の意味があるから

B型事業所の工賃は、労働の対価として支払われる最低賃金とは異なり、福祉サービスの一環として位置づけられています。
一般的な雇用契約に基づく賃金ではないため、その金額には幅があり、事業所の状況によって大きく異なります。
鈴の音では時給350円を支給しています。全国平均は約243円(令和4年度・厚生労働省調査)とされており、それよりも高めの水準です(※厚生労働省『就労継続支援事業の現状等について』より)。
自由に使えるお金が少しでもあると、自分で好きなものを買ったり、ちょっとした楽しみを味わえたりします。
自分で働いて得たお金には、金額以上の意味があります。
工賃アップは、自信や働く意欲にもつながります。
だからこそ、私たち支援者にとっても、工賃を高める取り組みは大切なテーマです。

◇平均よりも工賃が高い事業所に共通すること

全国には、平均を上回る工賃を実現しているB型事業所がいくつかあります。
そうした事業所には、いくつかの共通点が見られます。

・商品やサービスに工夫がある
ある事業所では、地元の果物を使ったオリジナル商品を開発し、地域のイベントやマルシェで販売しています。
売れる工夫を重ねると、注文が安定して工賃アップにつながります。

・地域との連携がある
農家と協力し、野菜の収穫や出荷をする事業所もあります。
収益が安定するだけではなく、農場での季節ごとの作業は、利用者さんの仕事にリズムを生み、やりがいも深めます。

・企業との継続的な取引がある
工場や小売店などから作業を受託し、封入や組立といった業務を安定的に提供している事業所もあります。
作業内容が比較的シンプルで手順が明確なため、取り組みやすく、成果が出やすいのです。

◇「うまくいっている」の裏にある、小さな努力

こうした工賃アップの成果の裏には、支援者たちの丁寧な取り組みがあります。
たとえば、体調に合わせた作業時間の調整や、販売先の声を反映した商品改良、納期や品質への細かな配慮など。
日々の小さな積み重ねが、信頼や結果につながります。

◇鈴の音でも、できることからコツコツと

鈴の音でも、工賃アップを目指して日々の取り組みを積み重ねています。
鈴の音が全国平均よりも高い水準の工賃を実現できている背景には、日々の工夫があると感じています。
たとえば、販売につながる商品づくりや、利用者さんの得意を活かした作業の工夫、支援員による声かけや調整など。
目立たないけれど丁寧な積み重ねが、少しずつ成果に結びついているのかもしれません。
今後も、アクセサリー制作やキャンドル作りに加え、利用者さんの得意を活かせる新しい作業にも挑戦したいと考えています。
大きな一歩ではなくても、小さな変化が未来をつくると信じて、これからも、利用者さんと共に歩んでいきたいです。